Decoding Kyoto - 京都を英語に

イメージ

政策科学部では、2007年度から新しい英語教育の一貫として、Decoding Kyoto プログラムを開始しました。 【decode】の辞書的な意味は、「暗号を解読・翻訳する」です。国際都市であり、文化都市である京都には、多くの外国人が観光に訪れ、ビジネスや研究のために生活しています。そうした外国人で、とくに日本語をよく理解しない人々は、街を歩いていたり、名所旧跡を訪れたり、あるいは日常生活を営むさいに、いろいろと不便を感じています。

最近は、標識や看板、各種のパンフレット、ガイドブック、公共機関の申請書など、英語でも利用できるも のがずいぶん増えてきました。神社やお寺を訪れると、英語表記の案内が掲示されていることもあります。しかし、そうした「国際化」はやっと開始されたばか りで、まだまだ日本語を理解しない外国人にはアクセスできない文字情報が街にはあふれています。理解できない言語で書かれた文字情報は、まるで暗号のよう です。とくに、漢字、平仮名、カタカナを組み合わせてさまざまな表記を行なう日本語は、外国人にとってはとりわけ解読が難しい暗号だといえるでしょう。

Decoding Kyoto プログラムは、そうした言語の壁を取り払い、言語のバリアフリーを実現するための英語教育のプロジェクトです。意味を正確に伝達し、自然で実際的な英語表現を学び、その成果を社会に還元することがこのプロジェクトの最終目的です。

街を歩いてみましょう。日常生活に必要な施設を訪れてみましょう。役所、学校、病院、文化施設を注意深く観察してみましょう。レストランやデパート、スー パーマーケット、お土産やさんなどいろいろな店舗を見回してみましょう。「英語で書かれていればいいのにな」と感じる文字情報がたくさんみつかるはずです。このプロジェクトでは、京都を訪れ、京都で暮らす外国人にとっては「暗号」のように思える文字情報をフィールドワークによって収集します。そして、それを教室に持ち帰り、正確で自然で実際的な英語に翻訳(decode)していきます。

2007年度は、京都市中心部にある木屋町共栄会発行のイラストマップ「京は路地裏がおもしろい」をもとに、学生が独自の調査を重ね、この界隈のガイドブックおよびより詳しい情報を掲載したウェブサイトKiyamachi Walkerを完成させました。このプロジェクトの二年目にあたる2008年度は、京都市に多く点在し、一つの文化となっている「銭湯」をテーマに、The Sento: Japanese Public Bathhouses in Kyotoを完成させ、ウェブサイトで公開しています。皆様のお知り合いの外国人の方にも、ぜひ紹介し、「解読された」京都を楽しんでいただければと思います。


立命館大学 政策科学部